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燐青銅線(本番環境で8/2更新)

耐疲労性・耐食性・
耐摩耗性がよい
(1) C5102 W ・・・・ (PBW-1) O、H
(2) C5111 W ・・・・ O、H
(3) C5191 W ・・・・ (PBW-2) O、1/2H、H
一般に広く使用
されている材料
(4) C5212 W ・・・・ (PBW-3) O、1/2H、H

リン青銅は、銅とスズの合金である青銅にリンを加えることで青銅内部に含まれる
酸化銅を脱酸した金属です。酸化銅を取り除くことで強度や硬度が向上し耐摩耗性や
弾性が改良されます。そのためリン青銅は加工性が高く耐食性に優れた青銅をより優
れた合金にしたといえます。

■ 特性

1. 強度、耐摩耗性が高い

具体的には、強度の指標である引張強さや耐摩耗性の指標である。硬度については
リン青銅では鍛造やプレスによる加工硬化で3倍程度まで値に開きがあるものの、
鉄鋼と同程度のリン青銅もあり純銅と比べると約1.5~3倍となる。

2. 耐疲労性に優れる

耐疲労性は引張強さと相関があることから、鉄鋼と同程度で純銅よりも優れます。
また、ばね用リン青銅という種類ではリン青銅に低温焼きなましを実施するため
金属内部の残留応力が取り除かれ本来の耐疲労性能を発揮することができます。

3. ばね性に優れる

ばね性の指標となる靭性と弾性については、リン青銅の弾性は純銅と同程度ですが
靭性は純銅の1.5~3倍にもなります。

4. 導電性・熱伝導性が高い

導電性や熱伝導性はスズの含有量が少ない種類のリン青銅で銅の1/2程度、真鍮の
2倍程度となっており強度の高い銅合金の中では比較的高い値を示します。

5. 非磁性である

リン青銅を含む銅合金のほとんどは非磁性です。しかし磁性金属である鉄やコバルトが
不純物として混入してしまうと、わずかながらも磁性を示してしまいます。電子機器な
どに用いるとノイズなどの原因になってしまうので注意が必要です。

6. 化学的腐食に強い

銅合金は鉄などの実用金属の中では耐食性が高いですがリン青銅は真鍮を腐食させる
亜硫酸でも耐食性を示すなど、銅合金の中でも化学的腐食に強いです。

7. 曲げ・絞り加工性に優れる

加工性については、切削、プレス、曲げ、絞りなどの加工が可能ですが、ス
ズの含有量が多い種類ほど、強度や硬度が高まり、展延性も低くなります。ま
たリン青銅は、銅合金の中では硬いため、真鍮などと比べると切削性が良いと
は言えません。そのため、リン青銅では、プレスや鍛造、曲げ・絞りなどの加
工方法を選択することが多いです。

■ 用途

電子部品では非磁性であることや導電性の高さを活かし、スイッチ、コネクター、
リレー端子、リード端子、リードフレーム(ICを外部配線と接続するための端
子)などに。機械部品では強度や耐摩耗性、耐食性に優れることからボルトや
ナット、軸受、歯車など。また優れたばね性を活かしたばね材として電子機器の
非磁性電気伝導ばねや機械用のばねなどに用いられています。リン青銅は日用品
として、楽器や様々な金物などにも広く利用されています。

■ りん青銅の種類

リン青銅は傾向としてスズを多く含有するほど強度や耐摩耗性は高くなりますが
導電性や熱伝導性は低下します。そのため、ズズの含有量が1.0~2.3%と少ない
C5050とC5071では、導電性が高いことから、端子やコネクターなどの電子部品に
用いられています。一方、ズズの含有量が3.5~9.0%に及ぶC5102、C5111、C5191、
C5212では強度や耐摩耗性に優れることから、電子部品や機械部品、またばね材と
しても多く利用されています。ただし、より高いばね性能を必要とする場合は
低温焼きなましによって弾性や疲労強度を向上させたC5210やC5240が選択されます。

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